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河口ではなく源流で対策を [自転車レース]

 フランク・シュレクがドーピングの簡易検査で引っかかりツール・ド・フランスからリタイア。ただし、検出された薬物がパフォーマンス向上の目的で使用したのではない事を主張出来る類のものなので、黒と決まったわけではありません。

 もう旧聞に属する話ですが、半年ほど前にはアルベルト・コンタドールがクレンブテロールの摂取でドーピング認定され、2010年のツール・ド・フランス優勝を抹消され、今回騒動になったフランクの弟、アンディが優勝に繰り上がるという事象が起きています。

 個人的にはアンディ・シュレクはタイトルに相応しい選手だと思いますし、この何年か本当の勝者が判るまでに1年以上かかるという状況が続いていることに嫌気が差しているのも事実なのですが、コンタドールを強く批判する気にもなれないのも正直な所。

 というのもこのドーピング疑惑、当初の経緯からして最初に検出されたクレンブテロールが基準値の400分の1以下。ドーピングの基準値は、

・選手の健康に影響を及ぼさない。
・基準値より少なければパフォーマンス向上に繋がらない
・意図しない摂取の可能性を考慮

 等を基準に設定されるべきものだと思うのですが、極微量でも検出されれば疑惑をかけられ、徹底的に調査されてしまう事態となっています。これでは一体なんのための基準値なのかわかりません。「本人の言うとおり食物汚染か、薬剤を使用していたとすればマスキングに失敗したんだろう」という個人的な印象を持ってはいますが、こんなことではそのうち選手全員の血液をスプリング8にかけて検査するなんてことになりかねず、選手が貧血になってしまうのではないかと心配に成ります。

 また、ドーピング規制の体制についても、それが出口側である選手に偏り過ぎな印象があります。先日USポスタルでドーピングに関わったチームドクターが永久追放されましたが、薬物の入手、効果的処方、検査をすり抜ける為のマスキング剤の使用等には専門的知識が不可欠であり、とても素人である自転車選手が一人で出来るものではありません。やってしまうとリカルド・リッコの様な事に成ります(個人的にはこの人は永久追放でいいと思う。度重なる違反は遵法意識の欠如が明らかです。)。つまり、薬物の仲介業者や関与する医師が存在するわけですが、UCIがそれらのシンジケートに対し、強硬かつ効果的な対応をとっているかと言われれば、否としか言えません。

 巨額な金銭が動く世界にはおこぼれにあずかろうとする汚い連中が群がってくるものなのでしょう。統括組織は立場の弱い選手個人より、選手を狙い、食い物にしようとする者達と戦うべきなのではないかと思います。

 今回の件はクリーンなイメージが有ったシュレク兄弟のみならず、プロツアー全体のイメージダウンにもつながる危険性を孕んでいます。今、「シュレク兄弟」と表現したようにフランク選手だけでなくアンディ選手にも疑惑の眼が向けられることは避けられない訳で、せっかく繰り上がった2010年のT・D・F優勝も「それって本物?」と、思われたりするわけです。いい加減に何とかしていただきたい。

 まあ、すべての諸悪の根源は「金」だったりするわけです。剣道なんて全然お金にならないからドーピングしようなんて気にもならないぞ。


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maki

コンタドールの処分については、いまだに納得できないです。
タイトル剥奪に相応しい理由はまったく見えません。
今年のツールも「コンタドールが走っていたら・・」と、どうしても考えてしまいます。
by maki (2012-07-21 21:11) 

kinotty

本文中にも書いてあるように何の為の基準値なのか?という事です。
「今回、基準値以下だけどこんな成分が検出されたから今後血液検査の頻度を上げるよ。食事とか十分に注意してね」位のものだと思います。

そもそもあれだけ調べられたらどんな人間でも何か出てくるんではないかと・・・
by kinotty (2012-07-22 07:33) 

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