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シン・ゴジラ [映画]

 記憶が間違っていなければ生まれて初めて見た映画は「メカゴジラの逆襲」で、確か「アルプスの少女ハイジ」と同時上映だったと思う。感想は「メカゴジラかっこええ~」

 だからと言って特撮映画にハマっていろいろと見るということもなく、テレビで放映されて時間が合えば見る程度。例外は平成ガメラシリーズで、これは職場でロケが行われていたのが大きな理由。この3本を含めても怪獣映画は全部で10本も見ていない。

 怪獣映画は基本「キャラクター映画」なのでゴジラというキャラが好きな人でも映画自体のストーリーには無頓着な印象がある。私が子供の頃にテレビでゴジラを見ていた時には戦車・戦闘機がお目当てで、そもそも怪獣って存在が非現実的で半分無視していた位だからゴジラ自体にはそれほど思い入れもなく、「なんとか対ゴジラ」とか所詮子供を騙そうとして騙しきれなかった駄映画だろう?という先入観が強い。

 ところで、「身近な場所でロケ」ってのは曲者で、折角だから見に行ってみようなんて思うと「ベスト・ガイ」という主演俳優のフィルモグラフィーからも消し去られてしまうような超駄作(あえて言うが糞映画)に1800円払ってしまうハメになったり、「空飛ぶ広報室」のような作品が只で見られたりする。

身近な場所でロケというか身近な場所が舞台という面ではこのシン・ゴジラほど身近な映画は無い。

 朝、高架橋を走る通勤電車の窓から街を見下ろしながら思うことがある。明かりのついた窓、消えている窓、それぞれの中に家族のために働きに出ようとしている父親や、朝食を用意している母親や、まだ夢の中の子どもたちが居るのだろう。この街が灰燼に帰するような事になってはいけない。この人達のために頑張ろう。

 そんな「子供騙しだろう」とか「頑張ろう」という思いを文字通り蹂躙してくれるのがこの映画。

 いつも見ている街が容赦なく灰燼に帰していく様が圧倒的な説得力の映像で表現される。

 よく怪獣映画で街が壊されているのを見て破壊の爽快感を覚える人がいて、そんな楽しみ方も否定はしないけど、私はどうしても「あの倒れていくビルの中に一体どれくらいの人がいるんだろう」と、考えてしまう。お願いだからやめてくれ。

 人の心を動かすという意味では間違いなく成功作

 映画全体の状況が311の暗喩になっているので東京以外の人にも、特に東北の人に物凄く響く映画ではないだろうか。

 政府や自衛隊に否定的な人には批判されているようだけど、映画自体の出来が悪ければここまで賛否が喧々囂々になることもないだろう。

 しかし、石原さとみが居なければ完璧だったのではないかと思わないでもない。海外公開の際には吹き替えを希望。


  映画の中でゴジラに対応するために自衛隊を動かす法的根拠について延々と論議するシーンが有り、結論が防衛出動になったことに対して石破元防衛大臣や枝野元官房長官が疑問を呈している。これに対して「映画の中の無能な政治家そのまま」との批判があるが、これはちょっと次元が違って、「怪獣に対処するための法規についてはすでに内部研究が終了しているのであの状況で論議になることはありえないし、出された結論が防衛出動ってのはもっとおかしい。」という話。

おそらく「武力の行使」と「武器の使用」を混同していて、「武器の使用」は防衛出動がかからないと実行できないと誤解していることから出た誤りだと思う。必要最低限であれば谷川岳の崖から宙吊りになった登山者の遺体回収のためにザイルを狙撃したり、火災を起こしたLPGタンカーを魚雷やロケットで撃沈処分したりと「武器の使用」は防衛出動以外でも可能。今回は相手がゴジラなので必要最低限が実質無制限となっただけの事。 


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