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たった一人で大論争? [日記]

ネットでこんなことがニュースになっていました。

ガジェット通信

車の「左足ブレーキ」はアリかナシか大論争! 「私10年以上左足でブレーキ踏んでた テヘッ」

http://getnews.jp/archives/129714

 実は私20年ほど前にレーシングカートをやっていたことがありますが、レーシングカートは例外なく左足ブレーキです。(脚の間にステアリングシャフトが通っているので左側にあるブレーキペダルを右足で踏むことは不可能)

 だから左足ブレーキには慣れているかというとそういう事もなく、一般車で左足ブレーキをかけるとよほど慎重にやらない限りガクガクしてしまいます。レーシングカートのブレーキなんて後輪にしか付いていなくて「制動装置」というより「荷重移動器」みたいなものですから、それほど操作がセンシティブでは無かったのかも知れません。

 自分自身がそうなのでこの記事のように左足ブレーキには危険性があるのではないか?という視点も分からないではないのですが、どうもいただけないのが以下の段落。

 


では左足ブレーキだと事故は減るのか? よくアクセルとブレーキの踏み間違いでコンビニに突っ込むという事故を見るが、これは左足ブレーキが原因の可能性 も考えられる。左足ブレーキの場合は両方のペダルに足が乗っているため、とっさに両方踏み込んでしまったらどうなるか容易に想像がつくだろう。通常の右足 ブレーキだとアクセルとブレーキどちらかにしか足が乗っていないのでその危険性も軽減される。また左足ブレーキは両足がペダルに乗っているので踏み込みが 甘くなると言う意見も出ている。これに関しては慣れの要するものなのだろう。

 

 この「左足ブレーキが原因の可能性も考えられる」という所。考えているのは書いた記者本人だけで全然裏付けが取れていない。

 暴走事故は自分が今踏んでいるペダルをブレーキだと勘違いしてアクセルを全開にしてしまう事から起こります。よって左足ブレーキの危険性を検証する場合、「ブレーキとアクセルを間違える」確率と「右足と左足を間違える」確率を比較した上で判断を下さなければいけません。ちなみに私はこの40年ほど右足と左足を間違えた事はありません。「とっさに両方踏み込んでしまったらどうなるか容易に想像がつくだろう。」とも書いていますが、確かに容易に想像はつきます。クルマはブレーキ力が駆動力を上回るように作られています。つまり「エンストする」が答えです。

  全体的にこの記事は粗雑です。事実は誤認しているし、考察は深くない上に方向性が間違っているし、取材サンプルがインターネット掲示板の書き込み一件のみという手抜きな上に、プロのくせに格助詞の使い方を間違っている所からみてろくに推敲や校正もしていない。おまけに結論も出ていない。

 結局、この記事から私が読み取ったのは、左足ブレーキがどのような特性を持っているかということではなく、「インターネットで文章を提供する仕事というのもなかなか大変だな」ということでした。数多くのブログがそうであるように、ネット上の文章は著者の頭の中からそのまま出てきたようなものが大多数を占めていて、かつての出版物のように編集者や校正の人の評価に晒される暇もなく、世の中にダイレクトに出てくるわけです。 だから今回のように何の陶冶も経ていない記事も、「はい、プロの仕事でござい」という顔をして堂々とニュースサイトに載ってしまう、ある意味怖い時代です。ライターの数がサイトの数に比して少な過ぎで、このような粗製濫造状態を招いているのではないかと思いました。

 いや、あまりに酷いんで思わず上から目線で評論じみたことを書いてしまいましたが、正直言って居酒屋の雑談レベルの記事だと思います。 読んだだけ時間の無駄な上に、こんな記事まで書いてしまい、無駄の上塗りです。ヤレヤレ


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