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ヘタレ三原則 [ランニング]

 帰宅時間の街道はクルマが信号から信号までぴっちり並ぶほどの渋滞。私は季節感のない仕事と生活をしているので、年の瀬と言うものを強く感じることはあまりないのですがやはり師走、みんな慌ただしく動いているのですね。もうすぐお正月という感じがしてきました。

 正月といえば箱根駅伝。実家が国道134号線から徒歩5分の観戦コンビニエンスな位置にあるので、帰省しているときには必ずと言って良いほど見に行きます。今年は東洋大学が優勝候補の早稲田を破り、参戦以来初の優勝を飾った大会でしたが、この東洋と早稲田の戦いの中で、印象的なシーンが有りました。

 

 それは第8区でのことです。この区間は途中ちょっとした坂があるのですが、前を行く東洋大にぴったりと付いた早稲田は、その坂で仕掛ける作戦に出ました。坂の入口までは前の選手を風除けに使い、負荷が高くなった時に足の貯金を使って抜け出す。完璧な作戦ですね。

 ところがこれが上手くいきませんでした。それというのも早稲田の監督が作戦をクルマからスピーカーで指示したために、一緒に走っていた東洋の選手にそれが筒抜けになってしまったからです。坂までは絶対に仕掛けてこないとわかったので、彼は遠慮無くペースを落とし、自分の体力を温存、逆に坂でスパートを掛けて早稲田を突きはなしました。頭脳の明晰さが垣間見える見事な走りでした。

 この勝負は、実力で勝り、正しい作戦を採っていても、情報が漏れると簡単に勝敗がひっくり返ることの見本です。情報は伝達量と伝送距離の累乗に比例して漏洩の確率が高まりますから、このような場面で指示を出すのは愚の骨頂と言えます。それを防ぐにはチームのメンバーが様々な場面でどのような作戦を採るのか事前によく教育訓練されていることが重要です。

 早稲田が指示を出したあと、東洋大の選手は自分の判断でペースを落とす作戦を採りました。早稲田の選手はそれに対応していません。彼は、東洋のペースが落ちた時点でスパートするべきだったと思いますが、監督の「坂で仕掛ける」という作戦が優先順位1番として有ったためにその判断ができなかったのだろうとおもいます。監督が選手の判断を制限してしまったとも言えます。

 情報の秘匿と臨機応変な対応力がレースには必要です。自転車でも同じですね。もう脚が一杯なのに「まだまだ楽勝」みたいな顔をしたり、その逆に死んだふりをしたり、共同戦線を張りながら、どこで手持ちの核爆弾を使おうかどうしようか、そもそも自分が持っている爆弾は使えるのか、お互いに腹の探り合いです。

 まあ、私の場合「体力は作らず」「高級機材は持たず」「自分のレース展開には持ち込まず」の非核三原則を遵守しちゃっているわけですが・・・要するに唯、集団サイクリングに参加しているだけな状態ですね。来シーズンは勝負に絡むとは行かないまでも、競技に参加しているという意識を強く持って行きたいと思います。
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マル子

私は、「人からの揺さぶりに弱い」とよく言われます。精神が弱すぎると。
かと言って、自分のレース展開に持っていけるほどの足も無い。
課題が山積みです・・・。

私の来年の目標は「レースをする」ですね。
by マル子 (2009-12-22 14:54) 

kinotty

私は揺さぶりをかけられるような場面に遭ったことすらないのですが、序盤のハイペースに無理して着いていった結果自滅する等、自分の実力を把握していないことによる失敗が多いような気がします。

トップクラスの人達はみんな顔見知りだったりして、駆け引きを楽しんでいるようですが、私の今の状態だと特に周りの選手を意識すると言うことも有りませんし、当然駆け引きなんかも関係有りません。

レーシングカートをやっていたことがあるのですが、その頃のようなピリピリした駆け引きを自転車でもしてみたいものです。

と言うわけで私も来年の目標は「レースをする」です。
by kinotty (2009-12-23 20:58) 

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