日本刀的兵器 [日記]
日本の航空技術100年をテーマにした特別展ですが、何故か自転車にまつわる展示が多めでした。
17年振りの里帰りとなった零式艦上戦闘機52型。今回は飛行はしないようですが、元々の設計寿命が500時間とかそこら辺の飛行機なので製造から70年経った現在では元の形が有ってエンジンがオリジナルなだけでも後光が差すほど有難いってもんです。
実は私、子供の頃に家の前で遊んでいた時に耳慣れないレシプロエンジンの爆音が聞こえて空を見上げたら零戦が飛んでいたという経験があります。当時の私は坂井三郎の「大空のサムライ」と、確か学研から出版されていた「ゼロ戦のひみつ」という本が愛読書でして、それが零式艦上戦闘機そのものであることはすぐに判ったものの、何故そんなものが自分の頭上を飛んでいるのか理解する前に飛び去っていってしまいました。この話をすると「一体何歳なんですか?」と、聞かれるのですが、別に戦中派というわけではなく、昭和53年に里帰り飛行したこの機体がたまたま飛んでいたのを目撃しただけでして、今回は34年振りの再会となります。
子供時代は「零戦、大和、タイガー戦車(戦車だけは日本製じゃない悲しさ)」が大好きだった私ですが、大人になって(そしてまがりなりにも航空関係のプロになって)よくよく見てみるとこの零戦って機体は当時の日本が置かれた厳しい状況が良くも悪くも反映されていて、ただ単に「カッコいい」だけでは済まないような気がします。
その象徴がこの外板。ベッコベコなのです。同じ大戦中の機体と比べても群を抜くペコペコさ加減。やはり自動車の普及率も低くてエンジン技術自体が欧米からの移転に頼っていた時代なので独自に高出力エンジンを開発する事ができず、それを補うために無理な軽量化を行ったことが祟っています。骨組みも軽め穴が沢山空いていて、その骨組み(桁)に重ねて外板を貼るのではなく、糊代のように桁を削ってそこに外板をピッタリはめ込んでリベット留めするという手間のかかる造りに成っていて、アメリカのP-51に比べると約3倍の工数が必要です。設計者の堀越二郎氏によると「空母に載せる分だけ作れば良いのだから、そこら辺の生産性は割り切った」という事らしく、耐久性もどうせ戦闘200時間位で損耗するのだから…という考え方。
アメリカとの哀しいほどの国力の差を感じさせる機体が同じ博物館に飾ってあります。
それがコチラ。
その他の展示物
あー何だこのカメラ!?自分で見ていてもムカツクくらいレンズの内部反射がひどい。
by kinotty (2013-01-04 23:44)
プロペラ機って萌えますよね~
この零戦、ディスカバリーチャンネルに出てた機体かな?アメリカの。
見に行きたいな~
by maki (2013-01-06 19:07)
>>makiさん
今年もよろしくお願いします。
52型で飛行可能なのはこの機体しか無かったと思うので、多分そうだと思います。>ディスカバリーチャンネル
展示は3月29日までとなっております。
by kinotty (2013-01-07 07:01)