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第24回ツール・ド・おきなわ市民男子100km [自転車レース]

朝3時45分起床、4時半からホテルが特別に時間を早めてくれた朝食バイキングを腹八分目に食べて、5時に予約しておいたタクシーに乗ってプライベートリゾートオクマまで移動。

タクシーの料金が事前にサイトで検索した時に予想された額より2000円も安く上がったのは助かったが、移動スピードは余り大きな声では言えない。途中、少々身の危険を感じ、出発の時に着けようとして何故かバックルが嵌らなかったシートベルトに再び手を伸ばす。しかし、何度やってもやはりバックルは空打ちするばかり。「おーい、コレ壊れてるよ〜」と、言いたいところだが不要なところで遠慮がちな性格が災いし、話し上手な運転手さんに内心「ここでヤンバルクイナが飛び出して来たらボク死んじゃう」と、思いながら相槌を打つという高度な任務をこなす。

プライベートリゾートオクマの駐車場から大型バス3台とその他マイクロバス数台に分乗してスタート地点である奥の共同販売所に移動。気温摂氏13度也。いささか寒し。

スタート前の試練、最終軽量化はトイレの個室が多目的トイレを含めて二つしか無いという事で過酷なものに。入ると3分ぐらい出てこない人がほとんどなので中々列が進まない。こんなのは列に並んでいる時から腹に力を入れておけばすぐに済むのに…と、思いながら待つ。ただしこれは諸刃の剣で、前の人が異様に長い時間を掛けたりすると無駄に強まった便意と戦う時間が長くなる。今回は作戦が上手くいって、トイレに入ってから30秒位で任務完了。次の人がビックリするくらいだった。自転車もこんなに早ければ良いんだけどね…尾籠な話でスミマセン。

自転車をチェックしているとどうもスピード・ケイデンスセンサーが上手く働いていない。リセット掛けて再認識させようとすると周りに一杯居るバイクのANT+センサーの信号を拾ってマルチプルケイデンスセンサーうんちゃらと警告が出る。ちょっと離れたところに走って行って再試行したけど結局ダメで、ケイデンスはオフ、表示が空いているのは気持ち悪いのでデータフィールドにはアベレージを表示するようにした。

気温は余り上がらなかったが陽が差してきたのでレッグウォーマーとウィンドブレーカーを脱いでスタート予定時刻ギリギリに荷物車に放り込む。その後のコンディションを考えるとレッグウォーマーを脱いだのはホントに良かった。

予定では9時25分頃スタートだったが、中々チャンピオンレースの集団が来ない。先頭2名の逃げが9時30分頃通過し、その後7分遅れでメイン集団が通過、女子国際がスタート。市民男子100kmは同140kmの通過後という事になったが、選手が整列している最中にイキナリ号砲。なし崩し的にスタート。
 


第1区間 奥〜与那

tdo100km1.jpg

距離:22.7km 最大標高差:196m 平均斜度 全体:0% 上り:4.4% 下り:3.8%

獲得標高 上り:317m 下り:321m 制限時刻:11時10分

 100kmは色々なレポートで言及される「奥の登り」が導入部。いつものヒルクライムのごとく時速15km弱で進行。距離4.7km、高度差190mを登り切り、下りは60km/h強で飛ばす。が、それでも抜いていく人は沢山いる。ロードレース恐るべし。「そう言えば普久川の下りは80km/hだとか何処かに書いてあったなぁ」等と思いながら60km/hを維持。転んで怪我したら元も子もない。
海岸線の平坦区間は夏の台風の影響で工事中の部分が多く、車線も片側通行がやっとという部分も。20名ほどの集団の最後尾に何とかへばり付いていたら140kmの集団が追いついてきて100名は超える大集団に。「スッゲー!ツール・ド・フランスみたいだ〜!」等と年甲斐もなく興奮しながら触発されてペースの上がった100km組にコレまた必死にへばりつく。が、100km組でもスタート早々にメイン集団から遅れを取った味噌っかすであるコチラに対して今横を走っている140kmの選手たちは先頭集団な訳で、ハナから勝負になるわけもなくポロポロと脱落していく100km組。私は前の選手が中切れを起こしそうだったのを抜いて何とか集団に追従。落ちてきたり追いつかれたりで再び30人程の集団で普久川への左コーナーへ到着。懸念していた集団落車も無く、先ずは一安心。

第2区間 与那〜普久川ダム前

tdo100km2.jpg

距離:12.1km 最大標高差:335m 平均斜度 全体:1.5% 上り:6.1% 下り:5.7%

獲得標高 上り:423m 下り:243m 制限時刻:11時35分

 山岳ポイントが設定されたツール・ド・おきなわ最大の登り。登りに入ると集団内でも個々のスピード差が顕著に出る。というか勾配変化に対する対応力に差が出る。
 と言っても何という事もなく、前方の勾配変化を観察して適切なギアを選択しておけばいいことなのだけど、コレが出来ていない人が結構いる。普段ヒルクライムに参加してばかりで本格的なロードレースに参加するのは初めてな私は、ツール・ド・おきなわに出るような人はスキルの高い人ばかりだと思っていたのでこれは意外だった。上りでの加速は力を使うし、前方のペース変化に付き合っているとどんどん体力を消耗するので、体力的に一定のペースを維持しつつ、先程までの集団から抜けだして前方にパラパラと散在する小集団をハシゴしながらなるべく前を目指す。
 しばらくすると後方からオートバイの音が近づいてきたと思ったらオレンジ色のゼッケンを付けた選手が先導のオートバイに続いて5〜6名すごい勢いで抜いていった。
「210kmだ・・・」
体感にしておおよそ30秒位の差で後続のメイン集団が抜いていく。それにしてもかなり大きな集団だ。50名近く居るのではないだろうか。120km走って来てもこれだけの人数を維持しているとはさすが210kmに出るような人は違うなぁ…と、感心する。ヒルクライムではいつもチャンピオンクラスの人達は最初にスタートしてかっ飛んで行ってしまうので、その走りを間近に見るような機会は無いのだけれど、これはいいチャンス!とばかりにじっくり観察させてもらっていると集団の中に知り合いの人。「頑張ってくださ〜い」と、声をかけたけど一番大変そうな時だったし迷惑だったかも…と、ちょっとヘコむ。
「此処が頂上か?」と、思わせるピークが3箇所くらい有ってちょっとへこたれた。下りはまた60km位でクリア。80km/hなんて下手糞には危険なだけですよ。


第3区間 普久川ダム前〜宮城種苗センター前
tdo100km3.jpg

距離:26.5km 最大標高差:244m 平均斜度 全体:-0.4% 上り:5% 下り:4.7%

獲得標高 上り:444m 下り:552m 制限時刻:12時20分

 縮尺の荒い地図を見ていると「山岳が2箇所有ってその間は海岸線で平坦」な感じに見えるツール・ド・おきなわ100km。しかし現実はそんなに甘くない。そもそもヤンバルってのは山原と書くわけで海岸線にはこんなモノ

揚水発電所.jpg

揚水発電所

が立地しているという地形。というわけで幹線道路は内陸山間部をアップ・ダウンしながら進む。中には8%ほどの坂もあり、脚に回生ブレーキが付いていたらどんなにいいだろう。と、思ってしまう。
 集団はとうの昔にバラけ、ほとんど単独で沖縄特有の畑の風景の中を走っているとなんだか夢のような気分になってくる。

スクリーンショット(2012-11-28 22.25.51).jpg

 時折追いついたり追いつかれたりする集団にしばらく乗せてもらってエコ運転に心がけ、足が攣る兆候が感じられたら背中のフラスコからパワーバージェルを概ね一個分吸って、ボトルのCCDドリンクを飲んで治すという事を繰り返しながら無心で走る。この区間を終える頃には全行程の半分を終了。事前に地図をチェックしていた時には「多分ここらへんで「来なきゃ良かった」とか考え出すと思う。」等と書いたが、実際には「いつまでも走っていたいなぁ」と思っていた。そんな体力は無いのだけれど…脳Podはこんな曲を流している。

https://youtu.be/l6_rDu28dYM

 


距離:22.5km 最大標高差:139m 平均斜度 全体:-0.3% 上り:5.3% 下り:4.8%

獲得標高 上り:383m 下り:456m 制限時刻:13時05分

 海岸線に出て平坦区間。東村は橋梁工事で鉄板敷の部分があり、もし雨だったら相当危険だと思われる。途中50〜100mのアップダウンが何回か有るが、関門での足切りが現実味を帯びてきているので力は抜けない。
 どこからどう集まって来たのか知らないが何となく10名ほどの集団が形成されるが、密度が粗くて余りドラフティングは効いてなさそう。
 給水ポイント手前で丁度ボトルを一本飲み切って、次は水を貰おうと思ったのに間違ってスポーツドリンクを貰ってしまう。まあ、別に悪影響は無いからいいか…気温が丁度良くて水の消費量が少なかったのは非常に助かった。昨年100kmを走った人のブログを参考に750mlのボトルを2本持っていったが、1本は捨てずにそのまま帰還出来たくらい。反対に言えばデッドウェイトを抱えて走った事になるけど、こればかりはやってみなければ判らない類の話。


距離:17.2km 最大標高差:125m 平均斜度 全体:0% 上り:5.7% 下り:4.8%

獲得標高 上り:320m 下り:316m 制限時刻:13時30分

 いよいよ足切りが迫ってきて集団のスピードも上がる。羽地ダムへの上りに入る前の海岸線平坦区間では40km/h程で進行。先頭交代したいがもう脚一杯。海岸線から離れたところで先頭を牽いていた人が限界っぽかったので前に出たけど、すぐに140kmの集団に飲み込まれてしまい。どれだけ貢献できたかは微妙な所。
 登り始めた所で脚を攣ったかイキナリ行き脚が停まって落車する人有り。今日はハスったりした上での落車は遭遇しなかったが、フィジカルトラブルでの落車は4件ほど見た。やはりレース中の体調管理は重要だ。
 登って1km程でトンネルを抜けると右折。何となく「その先は下りだよ」な風情を醸し出しているけれど、下りは一瞬だけでまた登る。
「なんだよ〜」という声を上げている人が居たので「期待はずれでしたね」と会話を交わしながら気を取り直して登る。このあとも「これだけ下ったんだから後は川上までゆるい下りだろう」と、思ったらまた登り。さらには「こんな橋の先は平坦に違いない」と、思ったらまた登り。ようやく下りに入ったのはダムの脇にあるタクジトンネルを抜けた後。下りの勢いそのままに川上の関門へ突進!制限時刻の10分前に通過。一緒に走っていた210kmの選手が明らかに嬉しそうな様子。おめでとう御座います。


距離:7.5km 最大標高差:39m 平均斜度 全体:-0.1% 上り:3.4% 下り:2.3%

獲得標高 上り:34m 下り:45m

 もう足切りは無いので35km/h位で気楽に走る。イオン前の坂では32km/h程に落ちてしまい、沢山の選手に抜かれたがもう順位はどうでも良い感じ。最期の500mは気を取り直してスピードを上げようと思ったがフトモモ百貨店閉店の時間。3時間50分でゴール。
 ゲートを通り過ぎた所で子供達の出迎えを受けた。ゴール奥の交差点近くの歩道で選手に「お疲れ様でした〜」と、声をかけまくっていた子供は地元民の様なフリをしていましたが私の子供です。

 歩道の柵に自転車を立てかけ、地べたに胡座かいてふと気がついたら先ほどまで交通規制が掛かっていた車道にクルマが列をなしている。ホントにギリギリの完走でした。

3時間50分06秒250(平均速度26.07km)216位
エントリー468名 出走400名 完走264名 


全般所感

 楽しいの一言。普段ヒルクライムを走っている人の中にも「ロードレースが好き」「ロードレース走りたい」という人が結構いますが気持ちがよくわかりました。もし「来週もやるけど来る?」とか言われたらホイホイ行ってしまいそうです。

 今年はもうひとつ東京エンデューロが有りますが、これでひとまず今シーズン終了です。いつものヒルクライムシリーズだけでなくこのツール・ド・おきなわに参加できたのは本当に幸いでした。仕事の都合でもしかすると最初で最後になるかも知れませんが、またいつか出られる日のために精進したいと思います。

 

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コメント 3

馬面

熱いレポート、ありがとうございました。また、レースお疲れ様でした。

我々横プリも東京エンデューロは出走です。その時にまたお話を聞かせていただければ幸いです。
by 馬面 (2012-11-29 08:31) 

maki

お疲れさまでした!!
レポートを拝見していると、参加してみたくなりますねー
いつか、走ってみたいなぁ♪
by maki (2012-11-29 21:40) 

kinotty

>>馬面さん
 有難うございます。自分にとっては長いレースだったので一貫した印象が無く、場面場面の支離滅裂な文章になってしまいましたが楽しんでいただけたら幸いです。東京エンデューロ楽しみにしています。

>>makiさん
 makiさん位の脚力があればもっと楽しめると思います。時期や費用でなかなか難しいものが有りますが、参加する価値のある大会でした。
by kinotty (2012-11-30 21:39) 

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