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T・D・美ヶ原ダラダラ長文リポート [自転車レース]

「前日」

 ツール・ド・美ヶ原に参加するときは何時も(と言っても2回目)輪行です。乗鞍だと松本市街から鈴蘭まで行くのにどうしようか悩みますが、浅間温泉なら自転車でも直ぐに到着。受付以外の時間は観光に充てることが出来ます。

でも、それもコレも天気がよければの話

 朝8時半に家を出て特急あずさに乗り、昼頃に松本着。晴れていれば駅前で早速自転車を組み立てて、浅間温泉に向かって走りだすところですが、なんだか自転車で走るには少々強いかと思われる雨。何人かのサイクリストが自転車を組み立てている脇を通り過ぎ、コンビニに入って傘を購入。再び歩き出すもお腹が空いたので丁度見つけた定食屋さんで焼肉定食を平らげる。さてこれからどうするかな・・・と、思いながらまた浅間温泉に近づく方向へ歩き出しましたが、今度はフラフラとパルコに入り、地下一階の本屋さんで立ち読み。なんだか50m毎に一休みしているような気がしますが、良いのです。受付終了までにはまだ売るほどの時間があります。

 最近買わなくなった自転車雑誌を立ち読みし、仕方ないからタクシーで会場まで行くか・・・と、外に出てみたら雨が止んで路面が乾きかけていました。
「これは全国から晴れ男が松本に到着したに違いない!」
と、半ば本気で思いながら自転車を組み立て、浅間温泉へゴー!川に沿っていけばすぐです。暫く行ったら川が左に曲がって・・・って、アレ?全然曲がらないぞ?それになんだか山に近づいてきたんですけど・・・・。ハイ、女鳥羽川と薄川を間違えました。3km程余計に走ってしまいました。

 松本市営球場前の会場に着くとまた雨。全国から美ヶ原にエントリーした皆さん済みません。多分犯人は私です。

 一昨年は受付で参加証等を切り離さずにそのまま出してしまい、記念品引換証もそのまま召し上げられてしまったため、Tシャツや荷札やメッセージカード(コレ重要!)が貰えず仕舞いだったのですが、今回はそんなこともなく無事に受付終了。
カードには「一番を目指して頑張ってください」とのメッセージが・・・嗚呼、ゴメン!このカードはもっと速い人のところに行くべきだったよ。

 受付終了後、ホテルにチェックインしてゼッケンや計測タグの準備をして8時前に就寝。

「当日」
 翌朝、出走4時間前の4時に起床。風呂に入り、すね毛剃りなどしながらボーッと外を見るが見事に雨。一瞬このまま計測タグを返却してそのまま帰ろうかと 思いましたが、シリーズ戦のことを考えて下山用雨天装備をいそいそと準備しました。それでも荷物をトラックに預けるときにはちょっと躊躇しました。これで もう登るしかありません。

 会場ではチーム重戦車のむらよしさんとお話しさせていただいたり、チャンピオンクラスのスタートを見学したりして出走までの空き時間を過ごし、午前8時 8分いよいよ出走。しかしここで問題発生。オンボードカメラが作動しない。これがないとネタに困るのでどうにかしたいのですが、撮影開始までに温泉街の中 ほどまでを通過。ここまで何秒かかったかな?事後のタイム計測には使えなくなったなぁ・・・と、思いながら激坂区間に突入。
 激坂の入り口に凄く綺麗な柴犬が立っているのを見かけたときにはそのまま自転車を放り出してモフモフしに行きたくなりましたが、グッと我慢して登坂開始。
「なんだこれ~、折角好きなことを我慢したのにこの仕打はないだろ」
と、言いたくなるくらい斜度がキツイ。2年ぶりに見ても相変わらずの壁な訳ですが、困ったのがグレーチング。
 この上は漕げない、止まれない、曲がれない、の3拍子で、これが一番気を遣いました。トルクをかけたままだとホイールスピン、止まると再出走困難、斜め に進入すると今度は横滑り。一定の速度でまっすぐ通過しなければならないのですが、その一定というのがこの激坂では一番難しい。レース中盤では女子がコレ に乗って後輪を横滑りさせ「んひゎっ!」とか言っているのを見ました。いや、実際怖いです。


 後ろから見上げる選手たちは皆、タルタロスの山に岩を担ぎ上げるシジフォスの様に喘ぎ苦しんでいるように見えます。どうせすぐに降りるのに、何故我々はこの坂を登るのか?昨日、雨をものともしない爽やかな口調で今中大介さんが言っていたことが思い出されます。
「えー、最初の激坂はですね。無理をしないで、最大心拍数の80%位でクリアしたいですね」
それ自体が無理な相談。そんなことをしたら止まってしまいます。倒れない程度にスピードを出すだけでも心拍180拍弱。これ以上心拍を下げるには前28、後ろ32位のギアが必要な気がします。
 しかしこの激坂を登っておくと今後のヒルクライムには良いかも知れません。
「あ、ここは9%位だ。普通の坂だ」
と、思えるようになります。きっと。
 それでも後ろ28という弱虫なギアリングのお陰か、シッティングでもそこそこのペース。前をダンシングで蛇行するGDRの人より速い。でも、蛇行されているので抜けない…

  なんだかんだでヒイヒイ言いながら美鈴湖に到着。ここまで22分、遅い。気温が高くなってアームカバーが暑く感じる。ズリ下ろして咥えて腕から引っこ抜 き、背中のポケットに収納。やはり標高が低いところからのスタートは暑い。給水もなるべく受け取ったほうが良いとおもいます。

 ところで、武石峠までの坂で気になったのが「ここが一番の難所!」の看板。
「”一番の難所”がなんで3箇所も有る?」
 美鈴湖から渋池を通り、袴越山に至るつづら折れはこのコースの最大の難所の一つと言えるだろう。
  てな具合に英文直訳風なのかどうかは知りませんが、最初は「そうか、ここは踏ん張ろう」と思ったこの看板も2回目3回目だと、「またですか?あと5ヵ所く らい有るんじゃないんですか?2位じゃ駄目なんですか?」と、言いたくなりました。(註:”2位”とは”2箇所位”の意味)

 激坂区間からずっと後ろに付かせてもらっていたゼッケンが一つ違いの人が給水ポイントを過ぎた辺りでいつの間にか前方に離れてしまい、自分が遅れ始めているのに気がつく。マズイなと思いながらも再び追いつこうという気はさらさら起きず、他に生贄を物色。
「この青いフレームの人は緩いところは速いけど、斜度が上がるとペースが落ちすぎ。あの赤白ジャージの人は安定しているけど、付いていくにはちょっと早過ぎるかな?」などと勝手に品定め。結局、周りのペースが安定していたので集団の中に留まれればよしとする。

  ラスト4kmの平坦区間に入ったら霧が益々濃くなり、風も強まりました。鳥海山にも下り区間はありますが、そちらはコース全体で一番幅が広いところできつ いコーナーも無い爽快な高速セクション。しかしこちらはツイスティなコーナーを含んでいて道幅も狭く、路面と視界の条件が悪いと少々危険。

 一気にスピードが上がり、周りのメンツもガラリと入れ替え。5人ほどの集団を形成して疾走。次々と前走車を抜く。集団最後尾で落車が怖いので、ドラフティングがギリギリ効く間隔で走っていたら、前方左側の選手がこちらをチラチラ振り向きながら右に出て来たい様子。
「あ、途中連結ですね。」
と、間に入れてあげたら微妙に遅く、登り返しのところで前との間がスルスルと開いていく。このままでは中切れしてしまうので前に出て集団を追走。思えばコレが危険な伏線でした。

  集団は20メートルほど先を走っている。アレに追いつかないとこの先キツイと思い少々パワーを掛けて追走し、10メートル程に近づいた所で急に間隔が詰 まった。つまり前はブレーキングしているということ。霧を透かしてみれば下りきったところに右コーナー。直ちにフルブレーキングを掛け、ブレ イクした後輪をカウンターで落ち着かせながら車体の向きを変えてクリア。こんなことをしたのはハタチそこそこの時にレーシングカートをやっていたとき以 来。自転車でここまでオンザエッジな走りをしたのは初めて。ついでにこの時オンボードカメラがひっくり返りました。

スクリーンショット(2010-07-02 23.13.47).png
あの集団に追いつかなくちゃ・・・
スクリーンショット(2010-07-02 23.14.36).png
あれ、なんか急に間隔が・・・
スクリーンショット(2010-07-02 23.14.59).png
コースアウトギリギリ
 
 最後尾だったから良いものの、集団先頭とか中央でこんなことやったら
大落車祭り開催です。今後気を付けます。


 一瞬どうにでも成れと思ったが、やはり思い直してステムの下にぶら下がったカメラの向きを直し、最後のスパートへ。

 ふとメーターを見ると時速は50km程度。ここまで散々坂を上がってきたのにそんなスピードが出る自分にちょっとビックリ。しかしこのスピードに成ると 完全に雨が前方から吹きつけるようになるので眼鏡に水滴がビッシリ着いてしまい、視界が著しく悪化。ヘルメットと眼鏡の隙間から上目遣いに覗いたほうが よっぽどクリアな視界が得られた。アイウェアについては大いに改善の余地ありです。

 最後の登り、手前でスピードが乗っていたのでこのままの勢いで!と、思ったが並走していた前走車に進路を塞がれて減速。このまま終わったら悔しいな。 と、闘志らしきものが湧いてきて再加速して抜き去り、残り1kmに突入。脚が持つかどうかなんてことは考えず、疾駆け開始!顎から滴り落ちる液体が雨なの か汗なのか鼻水なのかヨダレなのか混沌となりながら500mで16人を抜いた所で脚が売り切れ。抜き返されたりするのは嫌なので脚が合っていそうな同じス タート組(ゼッケンが5番違い)の人の後ろについてゴールを目指す。この人、ありがたい事に脚に余裕があったようで、付いて行くだけで他の選手をパスする ことが出来ました。まあ、その「付いて行くだけ」が非常にきつかったのですが、残り500mで10人パスしてゴール。

手元計測で距離21.63km 

所要時間1時間41分21秒(公式1時間41分11秒)

平均時速 12.8km/h 最高速度52.1km/h

心拍平均173 最高186

ケイデンス平均68 最大112

順位もタイムも参加者のほぼぴったり真ん中かやや上という結果でした。昨年から全然進歩していません。

 山頂ではバナナが配られていた筈なのですが、霧が立ち込めていて「ソレって何処?」な状態。ウキーッ!結局食べずに下山することにしました。荷物受け渡し場所がぬかるんでいて閉口しました。

 下山では最初の登り返しのところでセンターラインオーバーで皆を追い抜いていくマナーの悪い参加者がいて集団から怒られていました。しかし往々にしてそ んな人は他人の言うことなど聞かないわけで、そのままセンターラインをフラフラと左右にまたぎながら先に行ってしまいました。本人たちが痛い目に遭うのは 勝手ですが、その際に犠牲になるのはまだ競技中の罪なき参加者であるわけで、このような事は止めて頂きたいものです。その他にも右コーナーで逆走してイン 側をショートカットしたあげくに曲がりきれず、左側を一列で下っている参加者の列に特攻気味に割り込みとか「もうレースは終わったんだよ」と、言いたくな るような人が居ました。あんなことをロードレースでやったら次からプロトンに入れて貰えなくなるような気がします。

 下りの途中からは快晴。美鈴湖の湖畔で暑さにたまりかねてレインウェアを脱ぎました。

CA3B0439.jpg
美鈴湖畔で一休み


 松本浅間カントリークラブの南側から浅間温泉へ向かう道で人だかり が出来ていたので徐行しながら様子を伺うと、谷から人が這い上がって来るところでした。下りも後半になるとブレーキを掛けるのが辛くなるので飛び出しに注 意しなくてはいけません。

 ブレーキで思い出しましたが、今回換装した6700アルテグラのブレーキは軽い握力で思いのままにスピードをコントロール出来、換装の効果を最も実感で きたパーツでした。今までの5600(105)では乗鞍から降りてきたときに指が痙って缶ジュースが持てなかったりしたのですが、今回は指が疲れたなどと 感じることもなく、正に雲泥の差です。7800互換系と7900互換系の進化の差はブレーキに有り。だと思いました。

 会場について豚汁を貰いに行ったら「こちらの鍋はもうおしまいでーす」の声。辛うじて一杯だけは頂けましたが…、ええそうです、お代わりしたければもっと早く登って速く降りてくればいいのです。遅い私がいけないのです。

 いつもは表彰式や抽選会をブッチしてしまうことの多い私ですが、今回は抽選会まで律儀に参加。iPad iPadと・・・。むらよしさんとふたり並んでドキドキしながら結果を待ちましたが、当然のことながらハズレ。特急あずさに間に合わすため、いそいそと会 場を後にしました。

 今回も走りそのものは大したことはありませんでしたが、他に大きな意義がありまして、それはヘッドセットとBB以外を全部自分で組んだ自転車が万全に作動してくれたことです。自分が手塩にかけた自転車がキチンと動くと嬉しいものです。

 他には、「まぁ、少々天候が悪くても結構行けるな」とか、「トップシークレットのウェットグリップはかなりヤバイ」とか、色々と今後に生かせる教訓が得られました。次の鳥海山に向けてコレを活かし、精進したいと思います。


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maki

お疲れ様でした~
雨だったのは残念でしたね。
by maki (2010-07-03 20:50) 

kinotty

≫makiさん
 雨とは言え、グレーチングが滑る以外は目立った支障もなく普通に走れたのは幸いでした。視界の悪さの方が障害要素としては大きかったと思います。
by kinotty (2010-07-04 15:06) 

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